ダブルスの基本

1990.11.09(Fri)




【0】基本の名称

┏┯━1━┯━━━┯┓ 
┃│   7   │┃ 1:エンドライン
2│       │2 2:サイドライン(ダブルスのサイドライン)
┃3       3┃ 3:シングルスライン(シングルスのサイドライン)
┃│       │┃ 4:サービスライン
┃├─4─┬─4─┤┃ 5:センターライン
┃│   │   │┃ 6:ネット
┃│   5   │┃ 7:センターマーク
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼─6─┼╂ 
┃│   │   │┃ ・1,3,4で囲まれた部分はデッドゾーンといい、あ
┃│   5   │┃  まりそこに立っているべきではない、という場所。
┃│   │   │┃  デッドゾーンでボールを打った後は、再びエンドライ
┃├─4─┴─4─┤┃  ン付近まで戻るか、ネットについてしまうこと。
2│       │2  でないと、はずむ直前直後のボールを打つことになり、
┃3       3┃  ミスしやすい。
┃│       │┃ 
┃│   7   │┃ ・2,3で囲まれた細い部分をアレイという。
┗┷━1━┷━━━┷┛  シングルスではここは使われない。


 サーバー:  
		サービス(サーブ)を打つ人。
 リターナー:
        リターン(レシーブ)を打つ人。ただし、あまりリターナーとは
        言わず、レシーバーとか単にリターンと呼ばれる。
 ボレーヤー:
        ボレーをする人。ネットプレイヤー、前衛とも言う。
 ベースラインプレイヤー:
        後衛。ベースライン付近でプレイする人のこと。
 ストローク:
        普通にバウンドさせて打つこと。グラウンドストロークという。
 ボレー:
        バウンドさせずに打つこと。このうち、オーバーヘッドで打つも
        のをスマッシュという。
 ロブ:
        山なりのボールのこと。ネットに付いた相手の頭上を越すため、
        あるいは体勢を崩されたときの時間稼ぎに打つ。
 ポーチ:
        前衛が後衛の球を横取りして打つこと。意表を付くので決まる確
        率が高い。
 パス:
        パッシングショットの略。速い球で、相手前衛の横を抜くこと。
 ライジング:
        バウンドした直後のボール。ライジングで打つのは難しい。
 ハーフボレー:
        ネット付近で、ライジングボールを打つこと。難しい。
 グラウンドスマッシュ:
		非常に高く上がった球を、一旦バウンドさせてからスマッシュす
        ること。
【1】 これが最初の形だ!

 C         
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Aさんが、サーブを打つ人。
┃│       │┃ ・Bさんは、そのパートナー(ボレーヤー)。
┃│       │┃ ・Cさんが、リターン。
┃│       │┃ ・Dさんが、リターン側のパートナーです。
┃├───┬──D┤┃ 
┃│   │   │┃ ・Aさんは、普通この辺からサーブを打ちます。
┃│   │   │┃ ・Bさんは、ネットにつきますが、頭上を越されないよ
┃│   │   │┃  うに、普通サービスエリアの真ん中へんに構えます。
╂┼───┼───┼╂ ・Cさんは、シングルスラインの後ろあたりが基本で、
┃│   │   │┃  Aさんのサーブの速さによって、速ければ後ろの方へ
┃│ B │   │┃  下がって構え、遅ければ少し前の方で構えます。 
┃│   │   │┃ ・Dさんは、一応ネットについているけれど、Cさんの
┃├───┴───┤┃  リターンが甘ければBさんがボレー(ポーチ)をして
┃│       │┃  くることもありうるので、ネットにピタリとついてい
┃│       │┃  るのではなく、ちょうどサービスラインの上あたりに
┃│       │┃  立って、AさんでもCさんでもなく、Bさんを見てい
┃│       │┃  ます。 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
        Ao  


 C      D  
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Aさんのサーブが良い場合、レシーバーのパートナー
┃│       │┃  Dさんも後ろに下がって構えることもよくあります。
┃│       │┃ 
┃│       │┃  これは、Cさんのリターンがサーブに押されて甘くな
┃├───┬───┤┃  ったときに、Bさんは当然ボレーまたはスマッシュし
┃│   │   │┃  てきますが、Dさんが前にいた場合、それに対応しき
┃│   │   │┃  れないからです。
┃│   │   │┃  
╂┼───┼───┼╂  
┃│   │   │┃ ・逆に言えば、Dさんが前にいる時に、ボレーできるよ
┃│ B │   │┃  うなリターンが返ってきたならば、Bさんは、Dさん
┃│   │   │┃  めがけて(特に足元をめがけて)打つのが、決まる確
┃├───┴───┤┃  率が高い事を覚えておくとよいでしょう。
┃│       │┃ ・従って、ネットにいて、パートナーがリターンをする
┃│       │┃  時、DさんはBさんの動きに細心の注意を払っていな
┃│       │┃  ければいけないことがわかるでしょう。
┃│       │┃ ・また、ネットに近すぎてもいけないことも分かるでし
┗┷━━━┷━━━┷┛  ょう。
        Ao
             CさんのリターンがBさんに取られなかったことを確
             認して、Dさんは素早くネットにつきます。
【2】サーバーとリターンのポジション


【2−1】サーバーの立つ位置

┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Aさんは、エンドラインより後ろでセンターラインか
┃│       │┃  らサイドラインまでの間なら、どこからサーブを打っ
┃│       │┃  ても構いません。
┃│       │┃  センターの近くから打てば、サービスコートのセンター
┃├───┬───┤┃  付近(1)に入れやすくなるし、端の方から打てばコ
┃│2 1│   │┃  ーナー(2)に入れやすくなります。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  一般的には、相手のバックハンドに入れやすい位置に
╂┼───┼───┼╂  立つようにします。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・ただし、あまりセンターに寄り過ぎると、自分のサイ
┃│   │   │┃  ドががらあきになってしまうので注意が必要です。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・逆にリターンの立場からは、サーバーの立った位置か
┃│       │┃  ら、ある程度相手の狙っている場所が分かることにも
┃│       │┃  なります。(相手の体の向きも考慮します。)
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
      A………A


【2−2】リターンの立つ位置

C C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・リターンの人は、ネットよりも自分の側でありさえす
┃C       │┃  れば、ルール的にはどこに立っていようと構いません。
┃│       │┃  
┃│       │┃ 
┃├───┬───┤┃  しかし、サーブを拾うという点から考えると、サーバ
┃│   │   │┃  ーと、サービスラインの両端を結んだ線で囲まれたエ
┃│   │   │┃  リアの真ん中辺にいるのが、基本となります。
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂  従って、サーバーがセンター寄りからサーブを打とう
┃│   │   │┃  としているときはCさんはややセンター寄りに、サイ
┃│   │   │┃  ド寄りからのサーブの時はかなり端の方に、構えるこ
┃│   │   │┃  とになります。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ ・また、自分がバックハンドが苦手であれば、多少フォ
┃│       │┃  アハンド側を空けておく(バックハンドにサーブを入
┃│       │┃  れにくくする)などの工夫も必要です。
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
      A   A

【3】ダブルスの陣形

 ダブルスでよく用いられる陣形として、雁行陣と並行陣の2つがあります。


【3−1】雁行陣

 C
┏o━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・ダブルスで最も一般的に見られる形です。
┃│       │┃ 
┃│       │┃  雁が群れをなして飛ぶときのような形に見られること
┃│       │┃  から、雁行陣(がんこうじん)と呼ばれます。
┃├───┬──D┤┃ 
┃│   │   │┃  ボールは今、Cさんが打とうとしているところです。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・Bさんは、サイドを抜かれないように注意しながらネ
╂┼───┼───┼╂  ットに詰め、ボレーのチャンスを狙います。Aさんは、
┃│ B │   │┃  Bさんと反対のサイドを守ります。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・Dさんは、ネットについているのですが、Bさんのネ
┃├───┴───┤┃  ットプレイを警戒して、少し下がっています。
┃│       │┃ 
┃│       │┃  普通Cさんは、Bさんを避け、Aさんの所へ、なるべ
┃│       │┃  く深い球を返します。(深い球は攻撃しにくい)
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
         A

  C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃  Aさんにボールが渡ったところです。
┃│       │┃  BさんとDさんの位置に注意してください。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・Bさんはボレーできなかったので、今度はDさんのボ
┃├───┬───┤┃  レーを警戒して、少し下がります。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  一方Dさんは、ネットに詰めて、ボレーの機会を伺い
┃│   │ D │┃  ます。
╂┼───┼───┼╂ 
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・このように、ネットプレイヤーは、ただボールを見て
┃│   │   │┃  いるだけでなく、前後(正確には斜め前後)に忙し
┃├B──┴───┤┃  くポジションを変えることになります。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・基本的に、【4】以降は、雁行陣の立場で説明します。
┗┷━━━┷━━━o┛ 
         A

【3−2】並行陣

┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・C,Dのペアが並行陣です。2人ともネットに詰めま
┃│       │┃  す。上級者に見られる陣形です。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・ただし、2人が真横(平行)に並ぶのではなく、ボー
┃├───┬───┤┃  ルに近いほうの人(D)がネットにつめて、もうひと
┃│ C │   │┃  り(C)は、やや後ろに構えます。
┃│   │   │┃ 
┃│   │ D │┃  Aさんは通常Cさんの足元をめがけて打ちます(足元
╂┼───┼───┼╂  のボールは、攻撃しにくく、ミスしやすい)が、同じ
┃│   │   │┃  ところばかり打っていたのではDさんのポーチ(後述)
┃│   │   │┃  の餌食になりますので、時には、Dさんの頭上や横を
┃│   │   │┃  抜くようなような攻撃が必要となります。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・Cさんの頭上を越すようなショットは難しく(やや後
┃│       │┃  ろにいるため)、下手をするとスマッシュされるのが
┃│       │┃  落ちなので、やめておいたほうがよいでしょう。
┗┷━━━┷━━o┷┛ 
  B     A


┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・DさんがAさんのロブで、頭上を抜かれた後の図です。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│     Co│┃  Dさんは、取れないと判断した瞬間に、ボールはCさ
┃├───┬───┤┃  んにまかせて、反対側をカバーに行きます。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  Cさんは、なるべくボールを落とさずにボレーで相手
┃│  D│   │┃  に返して、再びネットにつきます。その時、なるべく
╂┼───┼───┼╂  ネットについているDさんの方(Bさんの所)にボー
┃│   │   │┃  ルを返すようにします。でないと、ボールに対する陣
┃│   │   │┃  形が逆になり、2人の中央に穴が出来てしまいます。
┃│   │   │┃ 
┃├───┴───┤┃  もしそうなった場合は、Cさん・Dさん共に素早く陣
┃│       │┃  形を整えます(Cさんは前に詰め、Dさんはややさが
┃│       │┃  る)。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
  B     A

【4】雁行陣の悪い形


【4−1】2人の位置が逆

 C
┏o━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Cさんがボールを打とうとしているところです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃  AさんとBさんは、雁行陣をとっていますが、ボール
┃├───┬───┤┃  に対するポジションが逆になっています。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  これでは、2人の間に穴ができて、ダブルスの鉄則ど
┃│   │   │┃  おり、センターを抜かれてしまいます。
╂┼───┼───┼╂ 
┃│   │ B │┃  あるいはBさんの頭上を抜かれた場合、相手のロブに
┃│   │   │┃  は角度が付いているので、Aさんはかなり走らされる
┃│   │   │┃  ことになり、しかもコートの外に追い出されてしまい、
┃├───┴───┤┃  大きく陣形が崩れることになります。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・いずれにせよこの形は脆いので、ボレーヤーは、しっ
┃│       │┃  かりとボールの行ったほうに詰めるようにし、そのパ
┃│       │┃  ートナーは素早く空いた側を埋めるようにすることが
┗┷━━━┷━━━┷┛  大切です。
 A

【4−2】ボレーヤーの居るべき場所

 C
┏o━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃  これはどうでしょうか。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・Bさんは、Cさんに脇を抜かれるのを怖がって、端に
┃├───┬───┤┃  行きすぎです。
┃│   │   │┃  これでは、コートが大きく空くことになり、パートナ
┃│   │   │┃  ーのAさんの負担がとても大きくなってしまいます。
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂ ・基本的には2人でテニスをしている以上、Bさんもコ
┃B   │   │┃  ートの半分を守らなければならないのです。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・Bさんの立つ位置の基本は、ラケットを持った手を一
┃├───┴───┤┃  杯に延ばして、ラケットがぎりぎりコートの端をカバ
┃│       │┃  ーできる所か、またはさらに一歩中央に寄ったあたり
┃│       │┃  です。
┃│       │┃ ・また、あまりにもネットに近すぎると、容易に頭上を
┃│       │┃  越されてしまうので、ラケットがネットに届く所から、
┗┷━━━┷━━━┷┛  更に一歩下がったところが基本になります。
       A
             要は、「一歩踏み込めば取れる(抜かれない)」位置
    	     がベストということです。

【4−3】並行陣 対 雁行陣
 
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・相手(C,D)が並行陣です。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・雁行陣は不利です。なぜなら、Bさんは相手のボレー
┃├───┬───┤┃  を直接浴びることになり、攻撃どころか、絶好の標的
┃│C  │   │┃  になってしまうからです。
┃│   │   │┃ 
┃│   │ D │┃  この場合は、Bさんは相手の様子を見ながら素早くベ
╂┼───┼───┼╂  ースラインまで下がるのが賢明です。
┃│   │   │┃ ・下がっている最中(デッドゾーンにいるとき)は相手
┃│   │   │┃  の攻撃に対して脆いので注意します。
┃│   │   │┃ 
┃├B──┴───┤┃  あるいは、AさんBさんともにボレーが得意な場合、
┃│       │┃  Aさんもネットについて、ボレーボレー合戦に持ち込
┃│       │┃  むこともあります。
┃│       │┃ ・並行陣対並行陣の戦いになります。
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━o┷┛ 
         A



 2人とも後ろに下がる       2人ともネットにつく
┏┯━━━┯━━━┯┓       ┏┯━━━┯━━━┯┓
┃│       │┃いかに    ┃│       │┃とっても
┃│       │┃ねばるか   ┃│       │┃めまぐるしい。
┃│       │┃がカギ。   ┃│       │┃
┃│       │┃       ┃│       │┃反射神経が
┃├───┬───┤┃ロブが有効。 ┃├───┬───┤┃良くないとだめ。
┃│C  │   │┃       ┃│C  │   │┃ 
┃│   │   │┃       ┃│   │   │┃ 
┃│   │ D │┃       ┃│   │ D │┃ 
╂┼───┼───┼╂       ╂┼───┼───┼╂ 
┃│   │   │┃       ┃│  o│   │┃ 
┃│   │   │┃       ┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃       ┃│ B │   │┃ 
┃├───┴───┤┃       ┃├───┴─A─┤┃ 
┃│       │┃       ┃│       │┃ 
┃│       │┃       ┃│       │┃ 
┃│     o │┃       ┃│       │┃ 
┃│       │┃       ┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛       ┗┷━━━┷━━━┷┛ 
 B      A

【5】ベースラインプレイヤーのねらい

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃  いま雁行陣でAさんが打とうとしているところですが、
┃│       │┃  ここでAさんには大きく分けて3つ打ち方があります。
┃│       │┃  
┃│       │┃ 
┃├───┬───┤┃ ・まず1つは、Cさんへ深く返すというもので、これが
┃│   │   │┃  基本です。
┃│   │   │┃ 
┃│   │ D │┃ ・2つめは、Dさんの頭上を越すように打つもので、相
╂┼───┼───┼╂  手の陣形を崩すのが目的です。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・3つめは、Dさんの横を抜く(パッシング)もので、
┃│   │   │┃  うまくいけば一発で決まりますが、Dさんにもし取ら
┃├B──┴───┤┃  れた場合、ボレーで決められてしまう確率がとても高
┃│       │┃  い、危険なショットです。多発は禁物です。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃  2と3について説明します。
┗┷━━━┷━━o┷┛ 
        A

【5−1】ボレーヤーの頭上を抜くロブ

      C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・AさんがうまくDさんの頭上を抜いた場合。
┃│       │┃ 
┃│      o│┃  Cさんがボールを拾いに行き、空いたサイドをDさん
┃│       │┃  がカバーに行きます。
┃├───┬───┤┃ 
┃│   │   │┃ ・この時、AさんとBさんは、そのままの位置にいては
┃│  D│   │┃  いけません。
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂  なぜなら、ボレーをするべきBさんがボールから遠い
┃│   │   │┃  位置にいて攻撃ができないばかりか、2人の中央にス
┃│  B│   │┃  キができて、せっかくのチャンスがピンチに変わって
┃│   │   │┃  しまうことにもなりかねないのです。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
        A


        C
┏┯━━━┯━━o┯┓ 
┃│       │┃  これで双方共にOKです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃  Dさんは、Bさんのボレーに備えて、やや下がりぎみ
┃│       │┃  に構えています。
┃├D──┬───┤┃ 
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・このように、雁行陣では、ネットプレイヤーは常に攻
┃│   │   │┃  撃をするという立場から、ボールの行ったほうへ詰め
╂┼───┼───┼╂  ることを忘れないようにします。
┃│   │ B │┃ 
┃│   │   │┃  ネットプレイヤーが動いてくれないと、ベースライン
┃│   │   │┃  プレイヤーは動くに動けず、陣形が崩れてしまうこと
┃├───┴───┤┃  になります。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
  A

【5−2】パッシングショット

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Dさんがポーチを狙って中央に寄ったところです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃  Aさんは普通にCさんに返したのでは、Dさんにボレ
┃├───┬───┤┃  ーを決められてしまうでしょう。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  しかし、Dさんの動くのが早すぎた場合、Aさんとし
┃│   │D  │┃  ては、逆にパスでDさんを抜くチャンスとなります。
╂┼───┼───┼╂ 
┃│   │   │┃ ・Dさんの脇を速いショットで抜かれた場合、Cさんに
┃│   │   │┃  はまず取れません。エースになるでしょう。
┃│   │   │┃ 
┃├B──┴───┤┃ 
┃│       │┃ ・ただし、Dさんはわざとスキを見せてAさんを誘って
┃│       │┃  いるのかもしれません(フェイント)。要注意です。
┃│       │┃  相手の性格を考慮しましょう。
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━o┛ 
         A

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・これは、Cさんがかなり角度のある球を打ったために、
┃│       │┃  Aさんはコートの外からボールを打つことになった場
┃│       │┃  面です。コートにはBさんしかおらずピンチです。
┃│       │┃ 
┃├───┬───┤┃  しかしDさんがただボーっとボールの行方をを見てい
┃│   │   │┃  るなら、Aさんには起死回生のパッシングショットが
┃│   │   │┃  あるのです。
┃│   │  D│┃ 
╂┼───┼───┼╂ ・テニスのルールでは、ボールは必ずしもネットの上を
┃│   │   │┃  通らなくてもよいことになっています。ネットポス
┃│   │   │┃  トの外側を、ネットよりも低いところを通っても構
┃│   │   │┃  わないのです。パスでDさんを抜いてしまいましょ
┃├─B─┴───┤┃  う。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・従ってDさんとしては、Aさんの打つ位置に応じて、
┃│       │┃  少しサイドに移動することが必要なのです。
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ o
            A

【6】ボレーヤーのねらい

 ボレーヤーは、いくつかのことを念頭において、ネットについていることが
 必要です。


【6−1】チャンスボールが来た!

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Bさんにボレーのチャンスが回ってきたところです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃  狙うのは何はともあれ、Dさんの足元です。足元に打
┃├───┬──D┤┃  たれたボールを何とかDさんが返したとしても、ボー
┃│   │   │┃  ルは浮き、スマッシュで決めることができるでしょう。
┃│   │   │┃  
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂ ・場合によっては、Dさんのいない側のネット付近にポ
┃│  o│   │┃  トリと落とす(ドロップ)のも有効です。ただしこれ
┃│ B │   │┃  は、CさんあるいはDさんに見破られた場合、逆に攻
┃│   │   │┃  撃されることになります。
┃├───┴───┤┃ ・ドロップショットは、相手の意表をついてこそ、効果
┃│       │┃  があるのです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 



┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・相手が両方ネット付近にいる場合、狙いは両者の中央
┃│       │┃  です。
┃│       │┃ 
┃│C      │┃ 
┃├───┬───┤┃ ・ダブルスのセンター狙いは鉄則と言われます。
┃│   │  D│┃  (もちろん相手コートに他の弱点がある場合は別。)
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂  この図では、真ん中が一番決まりそうなのが、見ても
┃│  o│   │┃  分かるでしょう。
┃│ B │   │┃  それを怖れてCさんまたはDさんが少しセンター寄り
┃│   │   │┃  に立った場合、そちらはサイドが甘くなりますので、
┃├───┴───┤┃  そこへ打ち込めばよいのです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃  もうひとつ、どちらかの足元を狙うのも当然効果的で
┃│       │┃  す。この場合は、CさんよりもDさんを狙ったほうが
┗┷━━━┷━━━┷┛  よいでしょう。

【6−2】ポーチ

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│o      │┃ ・ポーチとは、パートナーのボールをボレーヤーが横取
┃│       │┃  りすることです。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃├───┬──D┤┃  今、CさんがAさんにボールを打ったところです。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃  Bさんは、Cさんが打つか打たないかの瞬間に、ボー
┃│   │   │┃  ルのコースに向かってダッシュします。
╂┼───┼───┼╂ 
┃│B  │   │┃  ボールが来てから、動いて打つのではありません。相
┃│   │   │┃  手が打つ瞬間にコースを見極めて、そこへ移動してし
┃│   │   │┃  まうのです。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ ・もちろん危険はあります。
┃│       │┃  あまり早く移動を開始すると、例のパッシングで横を
┃│       │┃  抜かれるので、相手にポーチを見破られないことが重
┃│       │┃  要です。
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
         A

 C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃  Bさんは、Dさんをめがけてボレーをします。
┃│       │┃ 
┃│       │┃  そしてそのまま、もとの位置には戻らず、コートの逆
┃│       │┃  サイドのネットにつきます。これは、ネットプレイヤ
┃├───┬──D┤┃  ーは常にボールのある方に詰める、という原則から分
┃│   │   │┃  かると思います。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ・Aさんは、Bさんがポーチにでたらすぐ、逆側のコー
╂┼───o───┼╂  トをカバーに走ります。
┃│  B│   │┃ 
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ 
┃├───┴───┤┃ ・ただし、ポーチは、その一発で決めてしまうことが基
┃│       │┃  本です。このポジションチェンジはあくまでも念のた
┃│       │┃  めであるといっていいでしょう。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
       A

    C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃  ポーチ成功です。
┃│       │┃ 
┃│       o┃ 
┃│       │┃ ・AさんBさんとも、万全の体勢を取っていますが、お
┃├───┬──D┤┃  そらく、Cさんにはボールはとれず、ポイントが決ま
┃│   │   │┃  るでしょう。
┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂  もしCさんがボールに追い付いたとしても、ロブを上
┃│   │ B │┃  げるのが精一杯なので、Bさんのスマッシュの餌食に
┃│   │   │┃  なるはずです。
┃│   │   │┃ 
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
  A

【7】2人のポジションの変化

 相手の打つ位置によって、2人のとる位置は変わります。
 相手の打てる範囲が変わるので、守るべき範囲も変わるのです。
 1人だけが動くのではなく、2人の連係が重要です。


    基本形     2人ともやや中央に寄る  2人とも端に寄る
┏┯━━━┯━━━┯┓ ┏┯━━━┯━━━┯┓ ┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│o      │┃ ┃│  o    │┃ ┃│       │┃ o
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃├───┬───┤┃ ┃├───┬───┤┃ ┃├───┬───┤┃ 
┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂ ╂┼───┼───┼╂ ╂┼───┼───┼╂ 
┃│B  │   │┃ ┃│ B │   │┃ ┃│   │   B┃ 
┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ 
┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ ┃│   │   │┃ 
┃├───┴───┤┃ ┃├───┴───┤┃ ┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃│       │┃ 
┃│       │┃ ┃│       │┃ ┃A       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ ┗┷━━━┷━━━┷┛ ┗┷━━━┷━━━┷┛ 
         A          A


【8】サービスサイドの攻撃パターン


【8−1】サーブがコーナーに入ったとき

           C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Aさんのサーブが、サービスエリアのコーナーに入り
┃│       │┃  ました。
┃│       │┃ ・Cさんは、コートから追い出されてリターンを打つこ
┃│       │┃  とになります。
┃├─D─┬───o┃ ・Bさんは、サイドを抜かれることを警戒して、多少端
┃│   │   │┃  へ寄ります。
┃│   │   │┃ ・Dさんは、Cさんがいなくなったぶん、やや内側へ移
┃│   │   │┃  動します(守備範囲が拡がってしまった)。
╂┼───┼───┼╂ 
┃│   │   B┃ 
┃│   │   │┃  返って来た球を、AさんなりBさんなりが、守備の薄
┃│   │   │┃  くなった相手コートに決めてしまいます。
┃├───┴───┤┃ 
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・サービスで、レシーバーをコートから追い出してしま
┃│       │┃  い、相手の陣形を崩して攻めるのが目的です。
┃│       │┃ 
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
 A

【8−2】サーブがセンターに入ったとき

   C
┏┯━━━┯━━━┯┓ 
┃│       │┃ ・Aさんのサーブが、サービスエリアのセンターに入り
┃│       │┃  ました。
┃│       │┃ ・Cさんは、コートの中央付近からリターンを打つこと
┃│       │┃  になります。
┃├───o──D┤┃ 
┃│   │   │┃  このとき、Cさんとしては、あまり角度を付けたリタ
┃│   │   │┃  ーンを打つことができません。
┃│   │   │┃ 
╂┼───┼───┼╂ ・Bさんとしては、ポーチのチャンスとなります。中央
┃│  B│   │┃  に詰めても、パスで抜かれにくいからです。
┃│   │   │┃  Aさんのサーブがコーナーに入ったら、Bさんはやや
┃│   │   │┃  センターよりに位置を変え、Cさんが打つ瞬間に、ポ
┃├───┴───┤┃  ーチに飛び出しましょう。
┃│       │┃ 
┃│       │┃ ・もちろんあまり早く動いてはだめですが、センターに
┃│       │┃  サーブが入ったときは、リターン側としては攻撃しに
┃│       │┃  くい、という事を覚えておくとよいでしょう。
┗┷━━━┷━━━┷┛ 
        A